曼殊院の概要
延暦年間(728年~806年)に最澄が比叡山に創建した小寺院に起源をもつとされる天台宗の寺院。
室町時代以降は門跡寺院となり皇族が代々住職を勤め、数度の移転の後に、桂離宮を造営した良尚法親王によって現在の東山の地に移りました。
現在の主要な伽藍はこの時に造営されたものです。
書院には桂離宮と共通する欄間や釘隠しが用いられていて、「小さな桂離宮」とも呼ばれています。
大書院前の枯山水庭園は枯山水ながら宮廷風の名園として知られていて、国の名勝に指定されています。紅葉の名所として有名な他、春にはキリシマツツジが真っ赤に咲き誇り、枯山水を鮮やかに彩ります。
※紅葉期の夜間拝観は2021年を最後に中止されることになりました。
曼殊院で楽しめる花
★は名所・特におすすめ
【春】桜(ソメイヨシノ)、霧島ツツジ、平戸ツツジ、皐月
【夏】百日紅
【秋】★紅葉、百日紅、笹リンドウ、
【冬】椿、椿、梅、山茶花
曼殊院の見どころ
大書院
明暦2年(1656年)に建立された数寄屋造りの住宅風の建築で現在は国の重要文化財に指定されています。
建物内の金具には瓢箪や扇子など桂離宮と共通するデザインが施されているほか、建物の細部に桂離宮と同じ系列の工房で製作されたものがあしらわれており、江戸時代初期の公家文化を代表する遺構として評価されています。
庭園
小堀遠州による作庭といわれる枯山水庭園で国指定名勝です。
記録からは小堀遠州の関与について疑問がもたれていますが、遠州好みの庭園と評されています。
枯山水でありながら簡素すぎることなく、刈込や木々が整えられており宮廷風の雰囲気も漂います。
秋の燃えるような紅葉が美しいほか、春にはキリシマツツジの刈込が色づく美しい庭園です。
八窓軒
小書院に並び建つ茶室で重要文化財。書院と同時期の建築といわれていて、京都三名席のひとつに数えられます。
その名の通り8つの窓が取り付けられていて仏教的な世界観を表現しています。
特に光学的な現象から虹のような影を映す「虹の窓」が有名です。
通常非公開で見学には事前予約が必要です。
曼殊院の基本データ
◆住所:京都府京都市左京区一乗寺竹ノ内町42
◆電話:075-781-5010
◆拝観時間:9:00~17:00(受付終了は16:30)
◆拝観料:大人600円 高校生500円 小・中学生400円
◆休日:無休
◆ライトアップ:なし
◆アクセス(京都駅から):
京都市バス5系統岩倉行でき一乗寺清水町下車、徒歩20分
叡山電鉄叡山線で修学院駅下車、徒歩20分
◆駐車場:あり
◆公式サイト:https://www.manshuinmonzeki.jp/