祇王寺の概要
奥嵯峨にある真言宗大覚寺派の尼寺。
もともとは法然の弟子・良鎮が創建したといわれる往生院の旧跡とされています。
寺号は『平家物語』に登場する祇王にちなんでいて、平清盛の寵愛を受けたものの後に捨てられた祇王が、母の刀自や妹の祇女、仏御前とともに出家した尼寺として知られています。
中世以降は長らく衰退していましたが、明治時代に再興されて現在の建物が建立されました。
『平家物語』ゆかりの尼寺として知られていて、現在も鎌倉時代の仏像や祇王たちの像が残されています。
現在は苔むした庭園に簡素な庵が建っていて、閑静な空気が流れています。
青竹と青もみじが美しいことで知られていて初夏の新緑が鮮やかなほか、秋には一足早い紅葉が楽しめます。
また、秋には大覚寺から分けられたと言われる嵯峨菊が、山門近くに可憐に咲いています。
祇王寺で楽しめる花
★は名所・特におすすめ
【春】牡丹
【夏】★苔、★青紅葉
【秋】★紅葉紫式部、紫式部(小紫)、嵯峨菊
【冬】 –
祇王寺の見どころ
草庵
明治28年(1895年)に当時の京都府知事・北垣国道が寄進した茶室を本堂とした建物。
茅葺の屋根が特徴で、もともと茶室であったため簡素なたたずまいが苔むした境内に映えます。
仏間には本尊の大日如来のほか祇王たちと平清盛の木造が安置されています。
いずれも鎌倉時代末期の作で、目には水晶をはめ込む玉眼の技法が用いられていて鎌倉時代の仏像の特徴が表れています。
控えの間には「吉野窓」と呼ばれる大きな丸窓があります。窓外の葉を通して日差しが障子に映り様々な色合いに変化するため「虹の窓」とも呼ばれています。
庭園
一面が苔むした庭園。
30種類以上の苔が美しく広がっていて目に優しい雰囲気です。
また、青竹とカエデに覆われているため春から夏にかけては一面が緑に覆われて心が安らぎます。
特に初夏の新緑の鮮やかは見事です。
秋には苔と紅葉の対比も美しく、市街地より少し早い奥嵯峨の秋を彩ります。
宝篋印塔
祇王寺墓地の入口付近にたたずむ石製の供養塔。
鎌倉時代のものとみられる宝篋印塔がいくつか残されていて、祇王の供養塔と平清盛の供養塔であると考えられます。
祇王寺の基本データ
◆住所:京都府京都市右京区嵯峨鳥居本小坂町32
◆電話:075-861-3574
◆拝観時間:9:00~16:30(受付終了)
◆拝観料:大人300円 小中高生100円
※祇王寺・大覚寺(2カ寺)共通拝観券:600円(大人券のみ)
※祇王寺300円、大覚寺500円(お堂エリア)計800円が600円となります(大覚寺大沢池エリアの入場券としては使えません)。
◆休日:なし
◆ライトアップ:なし
◆アクセス:
・京都市バス28系統 嵐山・大覚寺行きほかで、嵯峨小学校前下車徒歩17分
・京福電鉄嵐山線 嵐山駅下車徒歩25分
・JR嵯峨野線 嵯峨嵐山駅下車徒歩25分
◆駐車場:あり
◆公式サイト:https://www.giouji.or.jp/