洛中の寺社

妙蓮寺 myorenji

妙蓮寺l2

妙蓮寺の概要

本門法華宗の大本山で、鎌倉時代の僧、日像によって創建されました。日像は日朗(日蓮の高弟)に師事し、後に日蓮の遺命を受けて帝都における布教に努めた人物です。
山門は両袖(小門が両方についている)番所付きで、稀にみる格式高いものです。妙蓮寺鐘楼は様式的にみて江戸時代初期に建立されたもので、全国的に見ても数少ない本格的な袴腰鐘楼で日本建築史上、江戸時代を代表する貴重な遺構です。

「花の寺」とも呼ばれ、桜、芙蓉、彼岸花、萩などの花が季節ごとの表情を見せます。
桜はとても珍しい10月に咲く「御会式桜」をはじめと様々な種類の桜が植栽されています。
春と秋にライトアップが実施され、幻想的な風情ある景色を楽しめます。
また、芙蓉の名所としても知られています。
朝開いて日没にしぼんで散る一日花で、この姿が無常を知る仏教の教えに重ねられています。

 

妙蓮寺の見どころ

御会式桜

10月に咲く御会式桜(おえしきざくら)という珍しい桜があります。
日蓮宗の宗祖、日蓮が亡くなった10月頃に咲き始めたこと、その日蓮の法要を「御会式」と呼ぶことから、御会式桜と呼ばれるようになりました。

10月に咲き始めて11月に満開を迎え、冬は花の数を減らして寒さに耐え忍び、春に再び満開を迎えます。
この桜の散った花びらも持ち帰ると「恋が成就する」と言われています。
桜は他にも、ソメイヨシノ、枝垂れ桜、八重桜なども鑑賞できます。

芙蓉

妙蓮寺は「芙蓉の寺」とも呼ばれ、夏から秋にかけて境内はたくさんの芙蓉で彩られます。

妙蓮寺椿(家康椿)

早咲きの椿で、室町時代から有名な椿と言われています。
また徳川家康も称賛したと伝えられ「家康椿」とも呼ばれます。

妙蓮寺椿

 

十六羅漢石庭

妙蓮寺の庭園は、桂離宮の造営に関わったことでも名高い玉淵坊日首の作です。枯山水の庭には豊臣秀吉の命によって伏見城から運ばれた石が含まれています。豊臣秀吉より贈られたのが臥牛石(がぎゅうせき)で、釈迦を中心に十六羅漢に見立てた置石が表情豊かに配置されています。十六羅漢は釈迦の優れた16人の弟子とことをさします。獅子や象を模した珍しい石も配置されています。

宝物館

長谷川等伯筆と伝わる四十二面の襖絵や本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)が写筆した「立正安国論」「始聞仏乗義」など所有しています。重要文化財に指定されています。宝物館の拝観は事前予約が必要です。

 

妙蓮寺の基本データ

◆住所:京都府京都市上京区寺之内通大宮東入ル妙蓮寺前町875
◆電話番号:075-451-3527
◆拝観時間:10:00~16:00
◆拝観料:境内無料 方丈・庭園大人500円 小中学生300円
◆休日:水曜日(方丈・庭園)
◆ライトアップ:あり(18:00~20:30 料金800円)
◆アクセス:市バス「堀川寺ノ内」から徒歩3分/市営地下鉄鳥丸線「鞍馬口」から徒歩20分
◆駐車場:あり
◆公式サイト:http://myorenji.or.jp/