高山寺の概要
宝亀5年(774年)に光仁天皇の勅願によって創建されたと伝わる寺院。
中興の祖は鎌倉時代の明恵で、神護寺の子院が荒廃した際に神護寺の文覚の弟子である明恵が入寺したといわれています。
中世以降は戦乱や火災で度々焼失し鎌倉時代の建物は石水院を残すのみですが、その度に再興されました。
国宝の石水院や鳥獣戯画などの多くの文化財を所有していて、鎌倉時代を中心とした歴史や文化を伝える京都有数の寺院です。
現在は建物を除く文化財の大部分は京都国立博物館に寄託されています。
また、日本におけるお茶の発祥の地でもあり、現在は「古都京都の文化財」の一部として世界文化遺産に登録されています。京都でも有数の紅葉の名所として知られていて、歴史ある境内で眺める景色は見事です。
高山寺で楽しめる花
★は名所・特におすすめ
【春】 -
【夏】苔、青紅葉
【秋】★紅葉
【冬】 -
高山寺の見どころ
石水院
鎌倉時代の建造物で現在は国宝に指定されており、高山寺に現存する建物では最も古いものです。
後鳥羽上皇の学問所を移築したもので、中興の祖である明恵の住居跡ともいわれています。
杮葺きの入母屋の屋根が特徴の簡素な印象の建物です。
廂(ひさし)の間から眺める、廂と柱で切り取られた絵画的な景観が抜群で、木々と奥に見える山々が織りなす光景に心が洗われます。
市街地の喧騒から離れて時間を忘れるにはふさわしい場所です。
石水院の善財童子像
廂(ひさし)の間にある善財童子の像は彫刻家、西村虚空の作です。
紅葉をバックに善財童子シルエットが何とも言えない趣きを醸し出します。
正面から見ると全く違う表情になります。
善財童子(ぜんざいどうじ)
『華厳経入法界品』に於いて、インドの長者の子に生まれたが、ある日、仏教に目覚めて文殊菩薩の勧めにより、様々な指導者(善知識)53人を訪ね歩いて段階的に仏教の修行を積み、最後に普賢菩薩の所で悟りを開くという、菩薩行の理想者として描かれている。善知識の中には比丘や比丘尼のほか外道(仏教徒以外の者)、遊女と思われる女性、童男、童女も含まれている。
遺香庵
昭和6年(1931年)に明恵の700遠忌に際して当時の財界人103名の寄進によって建てられた茶室。
当時の数寄屋大工・木村清兵衛によって手掛けられました。
また、日本近代庭園の礎を築いた小川治兵衛が作庭した露地庭もあり、現在は京都市指定名勝です。
簡素ながら木々に囲まれて非常に安らげる雰囲気です。通常公開ですが事前予約で拝観できます。
茶園
中興の祖である明恵がこの地で茶を栽培したといわれているため、日本における茶の栽培の発祥地といわれています。
現在も茶園で茶が栽培されており、毎年5月に茶摘みが行われています。
高山寺の基本データ
◆住所:京都府京都市右京区梅ヶ畑栂尾町8
◆電話:075-861-4204
◆拝観時間:8:30~17:00
◆拝観料:京都府800円(秋季入山料500円)
◆休日:なし
◆ライトアップ:なし
◆アクセス:
・JRバス高雄・京北線「栂ノ尾」「周山」行きで「栂ノ尾」下車 徒歩5分
・市バス8系統「栂ノ尾」下車 徒歩5分
◆駐車場:あり
◆公式サイト:https://kosanji.com/
読み方は「こうさんじ」「こうざんじ」の両方正しいとされています。
京都府のサイトでは「こうざんじ」となっていますが、一般的には「こうさんじ」の方がが多く使われている印象です。
世界遺産の看板は「Kozan-j」からi「Kosan-ji」に変更されています。