洛東の寺社

迎称寺 koushoji

迎称寺l

迎称寺(こうしょうじ)の概要

真如堂の北側に位置する時宗の寺院。
創建の詳細な歴史は不明ですが、もともと天台宗の寺院だったものを時宗の開祖一遍が時宗に改めたともいわれています。
元禄5年(1692年)に寺町の大火で焼失したのちに、真如堂の移転に合わせて現在の地に移りました。
時宗とは踊念仏に特徴のある鎌倉新仏教で、本堂には阿弥陀如来像や開祖の一遍上人像などが安置されています。
墓所には江戸時代の本草学の祖である稲生若水の墓をはじめ、学者や文化人の墓があります。
境内は基本的に非公開で拝観できませんが、寺の周囲を囲うの古い土塀で知られています。
9月下旬には土塀の下で萩の花が咲き、風情ある光景を見せるまさに知る人ぞ知る京都の萩の名所です。

迎称寺 萩2

 

迎称寺で楽しめる花

【春】-
【夏】-
【秋】萩
【冬】-

 

迎称寺の見どころ

土塀

迎称寺の周囲を取り囲む土塀。木造の味わい深い山門を中心に建てられています。
風雨にさらされてひびが入っていたり所々崩れかけたりしていますが、特に修復されている様子はありません。
あるがままに朽ちてゆく姿を見せ続けていて、見るたびに独特な寂寥感を覚えます。
京都の中でも珍しい光景のひとつと言えます。

萩の花

寺院の周囲を取り囲む土塀に沿って萩が植えられていて、9月下旬ごろには紅白の萩の花が咲きます。
そのため迎称寺は萩の寺として有名で、洛東第9番・萩の霊場として知られています。
ひなびた土塀を背後に萩の花が咲き乱れる光景は美しくもありますが、同時に名状しがたい寂びの感情を喚起します。

迎称寺 萩

 

墓所

江戸時代の文化人や学者が多く眠っています。
稲生若水は金沢藩の医学者で、植物などの分類を担う本草学の大著『庶物類纂』を編纂したことで知られています。
編纂のしている最中に京都の家で没したため迎称寺に葬られました。
ほかにも小林秀方や小林順堂など、京都にゆかりのある医学者を中心に江戸期の学問を支えた人々が眠っています。

管理人:菜々
管理人:菜々
非公開で中には入れないので、わざわざ行くというよりは、近くの真如堂や金戒光明寺に訪れた際に、萩の季節なら寄るのがおすすめです♪

 

迎称寺の基本データ

◆住所:京都府京都市左京区浄土寺真如町22
◆電話:075-761-6680
◆拝観時間:外観自由(中には入れません)
◆拝観料:無料
◆休日:不定休
◆ライトアップ:なし
◆アクセス:京都バス5系統岩倉行きで錦林車庫前下車、徒歩10分
◆駐車場:なし
◆公式サイト:なし