洛東の寺社

得浄明院 tokujomyoin

 

得浄明院の概要

得浄明院(とくじょうみょういん)は、信州善光寺大本願の京都別院の尼寺として、明治27年(1894年)に建立されました。
無宗派の単立寺院でありながら、浄土宗鎮西派の特別寺院となっています。
本尊は善光寺の一光三尊阿弥陀如来の分身を安置しています。
当時は信州にある善光寺までの参拝は大変だったため、「関西で善光寺如来の縁が結ばれますように」という願いが込められ建立されました。
善光寺同様にお戒壇巡り(胎内巡りとも言い、本堂の地下にある回廊を明かりのないなか手探りで進む)が体験できます。

得浄明院は初夏の花、一初(いちはつ)の名所として知られており、一初が咲く時期に合わせて「お戒壇巡りと一初鑑賞会」が行われています。
この時期には、通常非公開とされている内部が公開され、鑑賞することができます。

 

得浄明院で楽しめる花

★は名所・特におすすめ

【春】梅、ツツジ、★一初
【夏】★一初、シャガ、芙蓉
【秋】 –
【冬】梅

 

得浄明院の見どころ

胎内巡り(お戒壇巡り)

本堂の下の真っ暗な戒壇を進んで本堂とつながる錠前に触れ、阿弥陀如来の功績を得るというものです。本堂の東側には下へと続く階段があります。
下へ降りると、その先は真っ暗闇が。暗闇の中を手探りに壁づたいに進みます。
錠前を見つけたら念仏を唱えて本尊と縁を結び、功徳を授かるというものです。

一初(いちはつ)

得浄明院 一初

 

一初はアヤメ科のお花で、4月下旬~5月上旬にかけて見頃を迎えます。
アヤメ科の花の中で、一番早く咲き始めることからその名がつきました。
境内では、綺麗に手入れされた一初を鑑賞できます。
青と白の2色で、初夏らしい爽やかさを感じさせてくれます。
他にも梅やシャガ(アヤメによく似た薄紫の花)、ツツジも楽しめます。

庖勝一條流奉納式

「ほうしょういちじょうりゅう」と読みます。
例年5月13日に行われていて、境内に祀られる白天龍王社の祭事で「式包丁(しきほうしょう)」と言われます。
白天龍王社(白天社)は、芸事の神である白天龍王(白女大明神)を祀っており、白天龍王社は得浄明院の守護者とも言われています。
「式包丁」は、殺生を戒める仏教の教えに従い、魚などの食材を使わず豆腐や野菜を使います。
穢れ(けがれ)の元となる手で直接触れずに包丁と真魚箸だけを使い、盆の上に形づくる儀式で、お盆に豆腐で毎回違う文字を作ることで知られています。

得浄明院の基本データ

◆住所:京都府京都市東山区林下町459
◆電話番号:075-561-3767
◆拝観時間:9:00~17:00
◆拝観料:300円 特別拝観は500円
◆休日:無休
◆ライトアップ:なし
◆アクセス:地下鉄東西線「東山駅」から徒歩5分
◆駐車場:あり
◆公式サイト:http://www.zenkojikai.com/kinki/ki-131.html